
最初に両サイドのカドを決めて、それを規準に上から下へと、足場の丸太を外しながら刈りつつ下りてきます。 軒まで刈って下りて来たら、先に軒裏をきれいに刈り落として・・・ 最期に軒の上を刈込むと、軒端が決まって完成です。 足場を解体して掃除をしたら、できあがり。 カヤカルで良い茅を集めて頂いたし、地元砂木の皆さんがお堂に被さっていた木を切って下さったし、カヤマルでみんなで葺いたこの屋根は、きっと長持ちしてくれると思います。



最初に両サイドのカドを決めて、それを規準に上から下へと、足場の丸太を外しながら刈りつつ下りてきます。 軒まで刈って下りて来たら、先に軒裏をきれいに刈り落として・・・ 最期に軒の上を刈込むと、軒端が決まって完成です。 足場を解体して掃除をしたら、できあがり。 カヤカルで良い茅を集めて頂いたし、地元砂木の皆さんがお堂に被さっていた木を切って下さったし、カヤマルでみんなで葺いたこの屋根は、きっと長持ちしてくれると思います。



夏がすぐそこまでやって来ています。 カヤマルでずいぶん葺いて上がることができましたが、最後の方になるにつれて葺く茅を棟の下に差し込んで行かなければならないので、また少しばかり面倒な手間がかかります。
下地を直すために古茅を引き抜いた分だけ、棟が下がってしまっているので、隙間に丸太を差し入れてこじ上げます。 このお堂の屋根のかたちは寄せ棟ですが、美山の民家で一般的なかたちの入母屋なら、破風が棟と小間(妻側の茅屋根)を縁切りしているので、小間だけを手際良く葺き替えることが出来ます。 そういう意味では、破風は単なる装飾ではありません。


でも、屋根に上がる時間には何とか上がってくれました。 屋根が葺き上がるにつれて、お堂の周りいっぱいに立てかけてあった茅が無くなっていきます。
今回葺き替えたのは裏側。 梁の上を伝いながらの、屋根裏での針受けにもすっかり慣れた様子。
地下足袋の足下が決まっています。 ちょっとお昼ご飯が遅くなってしまいましたが、雨にも降られず、切りの良い工程まで済ませることが出来ました。
おかげさまで屋根はほとんど塞がって、もう雨漏り養生のシートも必要なくなりました。 午後には砂木の家と、北(きたむら)の資料館を見学。 新しい家も、古民家も、茅葺きの家の魅力はやっぱり縁側の心持ちですかね?
ちょっと湿っぽいけれども、涼しくて丁度良いですか?
あと三面。焦らず無理せず、皆さんとともに、茅のリズムで葺き替えて行けたらと願っています。



マイ地下足袋で気合いも充分。 昨日に引き続いて葺いて行きます。 茅を並べたら押さえの竹を縫い止めて固定します。
大きな金属の針にハリガネを通して屋根に突き刺すと・・・ 屋根裏ではレン(垂木)の左右の際に誘導してから、ハリガネを掛けかえてあげます。 屋根の表面を叩いて揃えてから、ハリガネを締めて押さえの竹で茅を屋根に固定して行きます。
「そこ、もっと叩かないと。あ、叩き過ぎ・・・」 丸太の足場の上はそこにいるだけで、意識しないまま全身が緊張しているので疲れが溜まります。
お昼ご飯の後は、茅のベッドでひと休み。 1日みんなで頑張って、ここまで葺き上げました。



そのうえ、からだを使って、あたまも使って、


屋根も参加者を迎えるまでに、無事に軒付けをすませることが出来ました。 参加者はカヤカルから連続の方もちらほら。自分で刈った茅は、自分で屋根に葺いてみたいですものね。
しかし自然の産物である茅は、同じススキでも刈る時期、生えていた場所、葺く箇所によって扱い方も様々。 足場の下では茅を切って運んで。 テッタイの仕事がなければ屋根は葺けません。
夜は地元砂木の皆さんが、手料理を携えて集まって下さいました。
懐かしい顔も、始めての顔も、茅のつなぐ人の輪が広がります。 美味しい料理と美味しい会話を楽しんだら、後片付けもみんなで。
第1回カヤマル'03にも参加したカヤマルリピーターもいれば、茅に触るのが始めての人も。経験値は様々。
ハタチにしてキャリア5年の職人マツキの指導に、誰もが真剣に聞き入ります。



手間のかかる軒付けは、カヤマルの日までに済ませておかないと、当日に参加者の皆さんが手待ちになってしまいます。 カヤカルで刈った砂木の茅を1把ずつかきつけた上に、砂木の田んぼで取れたお米のワラを並べ、さらに解体した古屋根から選別した古茅を並べて軒裏をつくって行きます。 そして、丈夫な茅を選んで軒の水切になる部分をつくります。 地下足袋持参でやる気満々のカヤマル参加者の皆さんを集めておいて、「ちょっと見ておいて下さい」という訳には行きませんから。 カヤマル開催日に追われつつ、しかし手を抜けない工程なので焦ります。


今では雪囲いに立てかけてある、昨秋のカヤカルでみんなで刈った茅もすっかり乾いています。

葺き替えを待つばかり。
今回は一番傷んでいる、山側の一面を葺き替えます。

古茅をめくってみると下地の竹が、虫食いで全てだめになっていましたので取り替えます。

丸太の垂木を整えて並べ固定した上に、カヤオイ(茅負い)の角材を取り付け、エツリ(横竹)を結束して屋根下地が完成しました。

アリゴシから上は、大工さんが新しく作り直されている破風板の到着を待って。
最初に淀川河口域産のヨシをひとつかみ分ずつ藁縄でかきつけて止めて行きます。

その上に均等な厚みに並べた稲藁を、竹で押さえて下地に針金で縫い止めます。
さらに半分に切ったススキの穂先を中心にして並べた上に、長く丈夫なススキを並べて一緒に竹で押さえて止めます。

稲藁、切ったススキと短い材料を2回重ねたことで、次に葺き並べる茅は下地の勾配に対して角度を付けて屋根に置くことができるようになりました。
「あいな亭」と名付けられて里山公園に再生されるこの建物は、もともと神戸市内で住宅として使われていた茅葺き民家でした。学生時代に調査で解体される前にも訪ねたことがあるので、再会することができて感慨もひとしおです。

乱雑に丸太を組んでいるだけのようにも見えますが、藁縄でしなやかに緊結していくとその強固なことは、百年以上に渡ってこの家を守って来た実績が、証明済みです。
丸太の位置や向きを1本ずつ手作業で整理しながら縄で結束して行くと、やがて美しい小屋組の構造が現れて来ます。

剥き出しのままで見て美しく安心感も感じられるのは、力のかかり方に無理の無い構造体であればこそだと
思います
。
傷みの激しい部材は新しいものに交換しますが、新補材には古材との色合わせのために古色が塗られます。

しかし、茅葺き民家は建てられたときで完成するのではなく、草の育つ自然のリズムで暮らしながら育てて行くものです。
「造り続ける公園」という里山公園のコンセプトも、テーマパークのように里山の景観を展示するのではなく、人の暮らしの場としての里山を再生することを目指しているはずなので、建物にも作り物の色を塗らずとも、使いながら時間をかけて良い色を出して行けば良いのにとは思いますが・・・
などと煮え切らない想いも抱えつつ1日の仕事を終えて屋根を下りると、タングステン光に照らされた茅葺き屋根の小屋組は、色など関係なく驚くほどきれいだったりします。

ストローベイル(正確には稲藁ベイルですが)が運び込まれて来ました。

ストローベイルハウスと言ってもベイルのブロックを積み上げて家にするのではなく、木造在来の柱梁構造に断熱壁材としてベイルを使用するようです。
日本の法規制を考えれば賢明な方策だと思いますし、そうでなければ茅葺き屋根を支えることもできないでしょうし。
屋根の格好も次第についてきて、建物の内装工事も本格化して来ましたが、クラブハウス棟の屋根葺きはここで一旦お休みにします。

今回公園内に建てられる、もう一棟の茅葺き屋根を先に仕上げてしまいます。
限られた人員を振り分けるよりも、集中して一棟ずつ仕上げて行った方が効率が良いという判断です。
これは先日打ち合わせに赴いた際の写真。東日本なら珍しく無いサイズかもしれませんが、神戸では指折りだった大きな茅葺き民家を移築して来ています。

鳶さんが素屋根をかけてしまう前なので、骨組みだけでも車などと比べて大きさを感じてもらえるのではないでしょうか。
こちらの現場は、ヤマダさんの山城萱工房が仕切ります。

クラブハウス棟の一時撤収準備と平行して、既に下地組みが進められています。明日からは茅葺屋もこちらに本格的に合流します。
by 宮田一雄
@里山公園クラブハウス 現場…